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 Mobara Baptist Church

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「ペトロと葱」

2013年10月27日 常盤台教会 大田雅一
東京バプテスト神学校専攻科

 ペトロの手紙一 3章18-22節

 ドストエフスキーDostoyevskiiの「カラマーゾフの兄弟」を読んでいると、「一本の葱」という話が紹介されている。ある悪い女が乞食に一本の葱を恵んでやった。死後に地獄に墜ちたが、天使が生前のこの善行を憐れみ一本の葱を差し出す。女がつかまって上がろうとすると、他の亡者がつかまってくるので振り放した。すると、葱が切れて自分も落ちてしまった。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」そっくりで、この話が元だという説もある。ラーゲルレーヴ Lagerlofの「キリスト伝説集」(岩波文庫)では、これがペトロと母の話になっている。ペトロの母が悪い女で地獄に堕ちる。ペトロは救おうとして天使を遣わしていただくのだが、やはり失敗してしまう。同様の民話は多くあったのだろう。
 罪深き者たちは結局救われないのだろうか。しかし、聖書を読んでみると、イエスキリストはもっと慈悲深い方である。「霊においてキリストは、捕らわれていた霊たちのところへ行って宣教されました」(第一ペテロ3:19) キリストはすべての人を救うために世に来られた。そして、黄泉にくだった霊たちのところにまで出かけて救ってくださる方である。みなさんの中でご家族や友人の救いに悩んでいる方はいないだろうか。信仰を持つことなく召されてしまった、愛する人たちは今も救われていないのか。心配することはない。イエス様におゆだねすれば、きっと救っていただけるのだから。「死んだ者にも福音が告げ知らされたのは、彼らが、人間の見方からすれば、肉において裁かれて死んだようでも、神との関係で、霊において生きるようになるためなのです」(第一ペテロ4:6)


日本バプテスト連盟
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牧師 塩山宗満