本文へスキップ

 Mobara Baptist Church

                     前週                                               次週

「報復を終わりにする」

2023年10月22日 三羽善次

 マタイによる福音書 5章38-42節

 今、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの間に戦いが起こっています。国境の壁を打ち壊して侵入し、ロケット弾で多くの人を殺傷、人質を拉致したハマスに対し、イスラエルは空爆をもって報復しました。当然の仕返しであると主張しています。この戦場となっている場所は、旧約聖書のイスラエルの嗣業地であり、また新約聖書の主イエスの生誕地、宣教地でもあります。その地で血の報復が行われているのです。
 主イエスは、当時のユダヤ教の戒めである「目には目を、歯には歯を」という報復の論理をもう止めなさいと言われました。それが、「あなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」(39節)との御言葉です。一切の仕返しを終わりにしなさいと言われたのです。これは真実まっとうな福音です。福音とは、人間が当たり前と思っている事を、主イエスが真逆のことを示された出来事と言えます。やられたらやり返すという報復を正当化することを終わりにするため、十字架にかかられて死なれたのです。ここに主イエスの福音があります。キリスト者にとっては主を礼拝する場こそ聖地であり、信仰の交わりの場が聖なる場所です。報復を終わりにする主イエスの十字架を見つめ、暮らしの中の仕返しの連鎖、怒りの感情に身を任せるのでなく、心静めて祈り、敬意をもって相手に耳を傾けることで主に応答する道、主に従う証しを求められています。
 わたしたち信仰者も日常生活に不満がくすぶることもあります。神様の「天からの光」が注がれていることを気づかなくなると、自分が何とか変えなければと思ってしまうのです。パウロは私たち主を信じる者が復活の主の体に造り変えられていくと語りました(Ⅱコリント3:18)。そのように主にあって最終的に変えられるべき姿が、わたしたちの信仰の希望です。


日本バプテスト連盟
茂原バプテスト教会

〒297-0012
千葉県茂原市六ツ野3394-5

TEL/FAX 0475-22-8275

牧師 塩山宗満