2007年5月6日 塩山宗満
ルカによる福音書 5章1-11節
イエス様はシモンに沖へ漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい、と語られました。シモンは漁師ですから、さかなを取ることにかけては専門家です。その専門家がガリラヤ湖で一晩中漁をして何も獲れず、朝、それが終わって戻ってきて、網を洗っていたのです。シモンにとって普通であればこんな話は聞くことができなかったでしょう。けれども、シモンはここで決定的な言葉を語ります。「しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」。彼はイエスという人の言葉に賭けてみよう、何が起こるかわからないけれど、この言葉に従ってみようと思ったのです。この言葉と行いがその後のシモンの人生を決定的に変えてしまいます。網を降ろしてみるとたくさんの魚がかかって、網が破けそうになったので、仲間の舟に助けにきてもらって、さかなが二艘の舟に一杯になったのです。畏れで一杯になったシモン・ペトロは「わたしから離れてください」と叫びます。けれどもイエス様はそのようなペトロを、人間をとる漁師にすると招かれました。
私たちも、これまでの人生の歩みの上で、イエス様に見出されるまでは、シモンのように様々な苦しみを味わってきました。イエス様に出あった後でもいろんなことが起きてきます。そんな苦しみの後であっても、「しかし、お言葉ですから」、とイエス様からの命令に従って歩みを進めていくと、思いもかけない祝福が与えられるのです。私たち一人一人がこのみ言葉の前に立たされ、従うのか従わないのかの決断が求められています。イエス様の招きに応えて、私たちの生涯をイエス様に賭けて祝福への道を歩んでいきましょう。