2009年6月7日 塩山宗満
マタイによる福音書 6章25-34節
イエス様は集まってきた群衆に、「自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。(6:25)」といわれます。わたしたちは食べ物によっていのちを支え、着るものによって体を守り、この世を生きていきます。イエス様はここでいのちもからだも神から祝福として与えられたのだから、それを第一に考えなさい、と言って空の鳥と、野の花のことをお話になります。
なぜ、「思い悩むな」と言っておられるのでしょうか。それは、私たちが思い悩みはじめると、まるで神がおられないかのような態度をとってしまうからなのです。私たちは自分を世界の中心において、自分のいのちや体を支えるのは自分たちで心配しなくてはならず、神はそれに少しも関わってはいないように思ってしまうのです。
それでは、私たちは思い悩む前に、何をしたらよいのでしょうか。「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。(6:33)」と記されているように、神を第一として、神に向かって生きていきなさい、といっておられるのです。天地を造り、人を造り、あなた方も造られた神を第一として、祈ることから始めなさい、といわれるのです。
私たちの周りの様々な問題、私たちが思い悩んでいることがらについて、課題について思いめぐらすこと、考えることは必要です。そして悩む代わりに、神に祈って、十分なよい方策を考えていきましょう。教会の歩みも皆で考えていくし、個人の歩みもどうぞ自分でしっかり方向を見つめて、工夫して見て下さい。祈りながら。