2009年8月9日 塩山宗満
マタイによる福音書 8章5-13節
一人の百人隊長がカファルナウムに戻ってきたイエス様に近づいて、自分の僕のためにお言葉を戴きたいとお願いしました。僕のために、主人である百人隊長自らがこのような行動をとることは当時の社会では考えられないことでした。その当時は宗教家、ラビが外国人の家に入ると汚れる、と考えられていましたので、そのラビを家にお迎えするなんてとんでもない、と百人隊長はへりくだって、謙遜に答えました。そして、「イエス様の一言があればそれでしもべは癒されます」と付け加えました。
その百人隊長の言葉をお聞きになって、イエス様は「感心した」と記されています。このところは口語訳聖書では「非常に感心し」となっていますし、岩波訳では「イエスはこれを聞いて驚き」と訳しています。イエス様はなぜこの言葉にそんなに驚かれたのでしょう。イエス様を驚かせるような信仰とはどのようなものなのでしょう。それは神に対する絶対の信頼です。条件をつけず、神が助け主であると信じることをイエス様は求めておられるのです。
この物語の仕上げは、「帰りなさい。あなたが信じたとおりになるように。」というイエス様の言葉です。そして百人隊長が願ったように、僕の病が癒されたのです。主イエスに対する深い信頼と信仰、イエス様が驚いたほどの信仰によって、このような結果を戴きました。私たちにもこの百人隊長のように、願い祈ることが許されています。私たちも「ただ信じて」歩んでいきましょう。