2010年11月28日 塩山宗満
マルコによる福音書 4章26-33節
「からし種」と言うと、パレスチナ地方の人はすぐ「とっても小さいもの」と言うイメージが浮かんできたようです。そんな小さな種から、鳥がきて巣を作るほどの大きな木になるというのです。イエス様の福音の宣教はガリラヤ地方で始まりました。その片隅で起こったイエス様の宣教が、時を経て、あるときはゆっくりと、あるときは急激に、あるときは狭い地域の中で、あるときは広い世界へ広がっていきました。そこには、初期のキリスト教を伝えていった弟子たちの働きや、福音をパレスチナ地方から当時の世界、アジア地方やヨーロッパへ伝えていった名もない信徒たち、それに手紙をたくさん書いて初期のキリスト教を支えたパウロなどの偉大な人たちが大勢いました。けれども本質的には神がはじめた業は神が完成に持っていかれることなのです。
御言葉の広がりはとうとうこの茂原までやってきました。そして神の不思議な導きによって、今日もこのように私たち一人一人がここに集められ、礼拝をささげています。しかも今日はこの小さな群れが世界に御言葉が広がるように祈ろうと言うのです。
その上で、私たちは全世界に神の言葉が広がっていくことを願って祈ります。福音の広がりやイエス・キリストを救い主と信じる人を生み出してくださるのは神ご自身の業ですから、私たちはただ、祈って、願って、私たちにできる地道な努力をしていくことです。そのことを心配する必要はありません。ただ、み国が来ますようにと希望をもって祈りつづけることだけが求められているのです。