2011年1月9日 塩山宗満
創世記 11章31節-12章9節
主なる神はまず、住み心地の良い故郷、親族、そして父の家から出て行きなさいといわれます。今の時代と違って、家族は集団として固く繋がっていましたし、父の家は安全な場所でした。神はアブラムにそのようなつながりすべてを捨てて、私に従ってきなさい、と言われます。行く先すらここでは示されていません。ただ神がその行くべきところを示してくださると言う信頼、確信だけが頼りなのです。
このようにして、アブラムの出発だけでなく、人類の歴史と神とのかかわりが始まりました。聖書全体がこのために書かれたといっても良い出来事が始まったのです。そして、「アブラムは、主の言葉に従って旅立った。(12:4)」のです。蓄えた財産すべてを携え、一族の主だった人たちと一緒にカナンの地へ向かいました。持っていた羊やらくだ、なども連れて旅立っていきました。
春はいろいろな出発のときです。新しく仕事につく方もおられますし、新しい学校へ行く人たちもいます。そのような新しい出発に際して、私たちはどのように心構えをしていったら良いのでしょうか。今はいろいろ便利な道具がありますから、行くさきのことはできるだけ調べて心と体の準備をしておくことは良いでしょう。でも、分らないことに対する不安が私たちの心を掠めるときがあるでしょう。そのときにはこのアブラハムのように、主なる神に委ねて信頼して、お任せして歩み出せば良いのではないでしょうか。神は必ず良い道を備えてくださいます。