2022年10月23日 三羽善次
ヨハネによる福音書 16章29‐33節
主イエスは「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。(16:33)」と言われています。この言葉はわたしたち信仰者を限りなく励ましてくださる言葉です。
日本社会では「勝ち組・負け組」という言葉が広がっています。これは、安定した職に就き、安定した収入を得ている人と、非正規、アルバイトで不安定な職に就き、少ない収入の人と区分けする、本当にいやな言葉です。人生を経済的な安定、豊かさのみで測ってすべてが決まるかような発想はこの世の生き方、価値観から出ています。
主イエスが言われた「わたしが世に勝っている」というのはそんな表面的なことではありません。世とは、肉のことであり、霊と反対のことを指しています。主イエスは、人間の罪と肉の血から、そして死に勝利されました。それが十字架と復活でした。これが、主イエスがなされた勝利でした。
わたしたちの側の、信仰者の勝利は自分の弱さに克つこと、克服することです。自分の弱さは自分を枠にはめ固定化して自分を縛ります。それによって自分の信仰の伸び代を無くしてしまいます。信仰の今一歩先を踏み出すことによって、慣れきった、惰性のような信仰から抜け出す者になります。今までの信仰のあり方から一歩踏み出すとき、わたしたちの人生の風景が違って見えてくることがあります。自分が変わると人を見る目も違ってくるのです。
パウロは霊に従って新しい生き方で霊に仕える、と言いました。霊によって新しくされ、既に世に勝利された主イエスの後に従って、ともに勝利の信仰の道を歩んでいきたいと思います。