2024年1月28日 三羽善次
ルカによる福音書 13章1-5節
私たちの人生にはいろいろな不条理な事が起きます。今日の聖書には二つの不条理な事例が記されています。総督ピラトによるガリラヤ人殺害と、塔が崩れて18人が死んでしまった出来事です。
今年の元旦の夕方能登半島の大地震・津波によって、一瞬に200人以上の人が犠牲になり、家屋も3万棟程が倒壊、大寒波にも襲われている人々を思い、不条理の現実に私たちも直面させられました。家族や家を職場を失い、被災した人々の慟哭を今また聞き胸が裂かれる思いです。
日ごろの行いが悪いからこんな目に遭った、信仰があるから被害に遭わずに助かった、こんなことを言えば、非難を浴びるに違いありません。
主イエスは言われます。「あの人たち(被災者)が、あなたたちよりも罪深い者だったと思うのか。決してそうではない」(2~3節)つまり、自分の信仰の故に不条理な出来事から免れたのではない、と言われるのです。主イエスの宣教の第一声は、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」(マルコ1:15)でした。ここでも「悔い改める」「福音を信じる」こと、つまり神の言葉、主イエスの言葉を聞き続け、従うようにと言われるのです。それは人生の不条理と向き合うために必要だからです。
主イエスはまた「あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(ヨハネ16:33b)と言われました。私たちは主イエスに結ばれて、すでに世の苦難に勝つ者とされているのです。罪と死に決着をつけてくださった復活の主が共におられるからです。