2017年3月5日 松原宏樹(バプテスト奈良キリスト教会牧師)
マルコによる福音書 10章13-16節
イエス様は、はっきりとおっしゃいました。「子どもを私のところに来させなさい。」
奈良キリスト教会には、付属の幼稚園があります。この幼稚園は9年前に開所いたしました。その当時、テレビや新聞では幼児虐待の末、自分の子どもを殺したり、子育てに困り果てている親の姿がありました。子どもは愛され、大切にされて健全に成長するのです。なんとか教会が困っている方々に手を差し伸べることはできないものか、クリスチャンの教師が、愛とぬくもりをもって子どもを育てられないものかと毎日考えていました。そんなあるとき、教会員の1人が以前公立幼稚園の教師をしておられた方を紹介してくださいました。私は、初めて会ったその方に無我夢中で子どもを助けてほしいこと、キリストの愛をもって、祈りをもって育ててほしいことを話しました。教会に行ったことのない彼女は、私の言葉にさぞ困っていたことであろうと思います。そして、最後に「私と心中するつもりで幼稚園を始めてください。」とお願いしていました。その彼女の返事が「私にその夢のお手伝いをさせてください。」というものでした。幼稚園開所のその年に、彼女はバプテスマを受けクリスチャンになりました。今日も教師として働いています。
2017年4月、ひとりの助産師が私のところに来て言いました。「先生、日本で一年間に中絶される子どもの数は20万人です。特に出世前診断でダウン症の障がいを持つ可能性があれば、その段階で中絶されます。」本当に悲しい子どもの現実、特に障がいをもつ子どもの辛さを改めて知りました。その子どもを救うため、キリストの命令を守るため、命をつなぐ働きがスタートしました。