2017年8月13日 塩山宗満
マタイによる福音書 26章47-56節 (新約 54ページ)
「剣(つるぎ)をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。」
ここに、バプテスト広島キリスト教会が出版した、「語り継ぐ ‐わたしの被爆体験‐」という小冊子があります。被爆と敗戦から60年たった10年ほど前に、ここで聞いておかないともう、生の声が聞けなくなると思った広島教会の人たちが、会員の中で原爆を体験した人たち10人から直接聞き取りをして、文章を起こしたものです。もうあのことは思い出すのも、話すのもいやだという人が多かったようですが、教会の趣旨を理解してくださってお話くださったとのことでした。読みながら、原爆をなくしたい、戦争を避けたいという皆さんの思いや訴えが胸に迫り、どうしたら平和を実現できるか真剣に考えていかなければならないと思わされました。
その被爆をした人たちが必死に訴えて、この7月に国連で世界の多くの人たち、122カ国の賛成によって「核兵器禁止条約」が採択されました。核保有国やその核の傘の下にある国々は日本も含め不参加でした。唯一の被爆国である日本がそれに参加しない、というのはどうも納得できません。参加した上で、核兵器を持っている国との仲介役をしっかり買って出れば良いのです。
私たちクリスチャンは、「剣を取る者は皆、剣で滅びる。」というイエス様のみ言葉の意味をしっかりと心に刻み、イエス様が私たちの救いのために十字架の苦しみと死への道を歩んで下さったことに感謝し、祈りながら歩んでいきたいと思います。神が備えてくださる道を、たとえそれが苦しみを伴うものであっても、従って生きる者となりたいと願います。