2021年5月9日 塩山宗満
ルカによる福音書 17章11-19節 (新約 142ページ)
「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。(17:19)」癒やしは十人に行われ、救いも十人に行き渡るはずでした。9人のユダヤ人たちは癒やしだけは受け取ったのですが、信仰へ進む道を閉ざしてしまいました。サマリア人はユダヤ人にとっては受け入れられない人でしたし、その上に重い皮膚病という、社会から仲間はずれにされるわけがもう一つありました。そのサマリア人だけが癒しだけではなく、救いも戴きました。
イスラエルの民、ユダヤ人は神に選ばれた民で、神の救いに一番近いはずだったのですが、いつの間にか律法の形だけを重んじ、神の御心を知ることに鈍くなってしまいました。一方パウロの活躍もあったにせよ、福音が異邦人の間で驚くほど急速に受け入れられていきました。ルカは使徒言行録でそのことを詳しく記しています。
この主イエスがサマリア人に語られた言葉は今の私たちにも語られています。主イエスに出会った私たちは、立ち上がって与えられている場へ出かけていきます。あなたの信仰が、と言われる信仰とは、このサマリア人のように「自分の身に起こっていることに神の働きを見る、神の愛を読み取る。そしてその神に委ねて、自分の人生を歩むという生き方」なのです。それは、私たち一人一人のことだけでなく、この教会の歩みについても言えるでしょう。神が私たちの上に行ってくださった恵みのわざを良く見極め、それに対して感謝と賛美をもって礼拝することが私たちに求められているのではないでしょうか。コロナ危機の中ですが、ご一緒にこの感謝と賛美をもって神を礼拝して参りましょう。