2023年2月5日 塩山宗満
使徒言行録 24章1-9節 (新約262ページ)
福音、すなわちイエス・キリストを救い主と信じることは、その人の考え方、生き方を根本から変えるものです。そして、その福音は聞く人が誰であっても、ギリシア人であってもユダヤ人であっても、そして日本人であっても同じように迫ってきます。パウロはここでは正義、節制、来るべき裁きという三つを福音の中身として挙げています。その三つを総督夫妻に示したとき、彼らは今までの生き方、その時代に当たり前だと思われている生き方から方向転換をして新しい自分に生きていくチャンスが与えられたのです。でも、彼らは神の言葉に迫られて、「恐ろしく」なりました。神を信じて生きていく人にとって福音は喜びなのですが、それを「恐れ」としてしか受け止めることができなかったのです。
その時代が、また自分たちが正しいとする生き方にどっぷりつかってしまっている人たち、現代人も同じで、イエス様の福音を聞いても、方向転換をすることができません。何事も成果主義である世のあり方に、慣れ親しんでいる私たちは、自分のイメージや自分に合うだけの神の姿を作り出して、それに従ってしか生きることができなくなっています。「しっかり福音を聞いてください」と叫びたくなります。福音の言葉はそれ自体に広がっていく、伝わっていく力を持っていますから、私たちがなすべきことは、どのように伝えていくか工夫をし、努力をして伝道をし、その後は神にお任せしていけばよいのです。
自分のこと、家族のため、友人のため、この町のため、この国のため、世界のために祈りを合わせていきましょう。周りの人たちに福音を伝えていきましょう。