2025年3月2日 塩山宗満
マタイによる福音書 18章21-35節
この聖書の個所はどんなことを伝えようとしているのでしょうか。わたしたちは神から言い尽くせないほどの赦しとあふれるばかりの恵みを戴いていて、その神の赦しの中に生きているのです。けれども他の人たちが自分に罪を犯したときに、赦すことができない存在であることがここに示されています。イエス様はここで「自分が赦されていることを思い起こし、自分に降りかかってくる他の人たちからの罪も赦しなさい」、と語っておられるのです。
ここでは赦すことがテーマになっていますが、わたしたちは言葉や行いでほかの人を傷つけたりいろいろな意味で罪を犯したりすることがあるでしょう。これは意識的に、また無意識的にやってしまうのです。ですから、他の人を赦す以前にわたしたちは赦してもらいながら生きていること知っておく必要があるかもしれません。イエス様の言葉のように、言い尽くせないほどの神からの赦しがあるのですから、わたしたちも赦すことを憶えなければならないでしょう。
わたしは20年以上もの間この教会の牧師として奉仕させて戴いたのですが、その間に意識的にも、無意識的にも皆さんを傷つけてしまったことがあるかもしれません。
マルチン・ルターがこのような言葉を遺しています。「死を前にして、残される人たちとの関係について、「私たちの心を傷つけたすべての人々を、神のゆえに、心から喜んで赦さなくてはならない。また、自分が傷つけたと思われる人にも神のゆえに、赦しを請わなくてはならない。」(ルター「死への準備」の説教の中から)」
わたしもこの言葉を心にとめて、この3月を過ごしていきたいと思います。