2013年7月21日 塩山宗満
使徒言行録 24章10-27節 (新約 262ページ)
総督フェリクスとその妻ドルシラを前にしてパウロは福音を語ります。「しかし、パウロが正義や節制や来るべき裁きについて話すと、フェリクスは恐ろしくなり、「今回はこれで帰ってよろしい。また適当な機会に呼び出すことにする」と言った。(24:25)」福音、すなわちイエス・キリストを救い主と信じることは、その人の考え方、生き方を根本から変えるものです。パウロは「正義、節制、来るべき裁き」を福音の中身として語りました。それが総督夫婦に提示された時、方向転換をして新しい自分に生きていくチャンスが与えられたのです。でも、彼らは神の言葉に迫られて、「恐ろしく」なりました。信じて生きていく人にとって福音は喜びなのですが、それを「恐れ」としてしか受け止めることができなかったのです。
今の時代が“正しい”とする生き方にどっぷりつかってしまっている現代人は、なかなかイエス様の福音を聞いても方向転換をすることができません。何事も成果主義、いくら稼いだかで人の価値をはかる世のあり方に、慣れ親しんでいる今の私たちは、自分のイメージや自分に合うだけの神の姿を作り出して、それに従ってしか生きることができなくなっています。
福音の言葉はそれ自体に広がっていく力を持っていますから、この社会に私たちがなすべきことは、どのように伝えていくか工夫をしながら伝道をつづけることでしょう。そして、しっかり礼拝を守っていきましょう。家族のため、友人のため、この町のため、この国のために祈りましょう。周りの人たちに福音を伝えていきましょう。