2013年8月25日 塩山宗満
使徒言行録 28章17-31節 (新約 270ページ)
使徒言行録に記されているパウロのローマ滞在は紀元60年前後のようですが、本書が書かれたのはルカ福音書が書かれた紀元80年代の後、80年代後半から90年代初頭ではないかと言われます。この時期にはエルサレムの町と神殿はもうなくなっており、ユダヤ教とキリスト教の分離がはっきりしてきた時期で、そのためにもキリスト教の生まれた時からの広がりをしっかり書き留めておきたいという著者ルカの意図があったようです。
使徒言行録はパウロの宣教がローマで語り続けているところ、28章で終わっていますが、キリスト教の伝道はこの後もずっと続いています。キリストの福音はこの日本にもまず、今から400年ほど前に伝えられました。その後、一時鎖国とキリシタン禁制の時代がありましたが、明治期になってまた福音が改めて日本に伝わってきました。この千葉の大原にある日本キリスト教団上総大原教会は、宣教開始から100年以上経っていることからも分かるように、房総地区にも福音は早くから伝わっていました。けれどもこの一帯は日蓮宗が強く、地元の人たちはなかなか福音に心を開いてくれなかったようです。わたしたちの教会も15年前に伝道を開始し、それから御言葉の種を蒔き続けています。やはりなかなか御言葉を受け入れる人は多くはありません。そのような土地に主は私たちを用いて教会を建てられたのです。
ご一緒に主イエスの福音を聖書を通して確かめ、自分のものとしてその御言葉に感激し、そして使徒パウロがローマで語り続けたように、私たちもこの茂原の地で福音を宣べ伝え続けましょう。