2014年12月14日 塩山宗満
ルカによる福音書 1章46-56節 (新約 101ページ)
「主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。(1:51-53)」
この言葉は楽しいクリスマスの時には、ふさわしくないように見えるかもしれません。これまでとは違った価値観を主イエスはもたらすので、主イエスが来られると世間の常識とは反対のことが起こるのです。主が福音を人々に示されると、それに一人一人がどう向き合うかを問われます。思い上がるものを打ち散らす方とは、福音に向き合わない人について語られているのです。私たちは知らず知らずのうちに傲慢になり、思い上がる存在なのですが、主なる神はその傲慢な私たちを打ち散らす、といわれます。また、権力あるものをその座から引き降ろし、身分の低いものを高く上げるのだ、とも言われます。この世での権力は神の国では何の力もないことを言っておられるのです。クリスマスとはこのような厳しい言葉と直面すべき時でもあるのです。ここに描かれている逆転した状況の最もよい例は、マリアが救い主の母として選ばれた、ということから分かるのではないでしょうか。
クリスマス、それは、救い主がこられるとき、神の国がもたらされるとき、ここでマリアが歌ったことごとが成就するとき、また私たちを縛るさまざまな束縛から開放をしてくださるときですから、マリアと一緒に私たちも主イエスのご誕生を心から祝いましょう。新生讃美歌151はこのマリアの賛歌を題材にしています。味わいながら歌いましょう。