2015年12月6日 塩山宗満
マタイによる福音書 1章1-17節 (新約 1ページ)
アブラハムから書きはじめられた系図は、16節で「ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。」と記されて、終わっています。イエス様は18節に「聖霊によって身ごもった」と書かれていて、マリアから生まれた、とは書いてあるのですが、ほかの人たちのようにヨセフから生まれた、とは記されていません。
神がこの世に送ってこられた救い主、イエス・キリストは神との歴史上の様々なかかわりを持った一族の中から生まれてこられました。主イエスは父祖アブラハムの流れをくみ、また王の系列でもありますが、同時に遠い存在ではなく、罪を犯したり、過ちをし続けたりした人間の家系から生まれてこられたのです。人間の罪がどのようなものであっても、その罪を乗り越えて神のみ業が進められていく、そして、神の赦しの恵みがいかに豊かにあらわれていくのかをマタイはこの系図を通して語ろうとしているのです。
イエス・キリストにおいて、神の救いの恵みはイスラエルにとどまらず、すべての人、全世界の人たちに広げられていきました。ここに名前が挙げられている4人の女性は皆外国人だいわれています。そのように主イエスの恵みと祝福は全世界に広がるのだ、と言うことをこの系図は示しているのです。そして、その恵みはここ茂原にも伝えられてきました。
今日は待降節第2週です。救い主の誕生を、心をこめて、喜びをもって待つ時です。ご一緒にこの喜ばしい時を、祈りつつ、また一人でも多くの人たちにその喜びが伝わるよう願いつつ、過ごしましょう。