2016年3月20日 塩山宗満
ルカによる福音書 23章44-56節 (新約 159ページ)
イエス様が死んでいかれる様子をルカは他の福音書とは違った形で書いています。ルカはあの「エリ、エリ、レマ サバクタニ、わが神わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という苦悩の言葉は記していません。「イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。(23:46)」この「わたしの霊を御手にゆだねます」という言葉は詩篇31:6からの引用なのですが、この言葉はユダヤ人の母親が子どもたちに最初に教えた「安心して寝るため」の祈りの言葉だったようです。イエス様はそこに、「父よ」と言う呼びかけを加え、十字架の上におられても、父親の腕の中で眠る幼子のように安らかな眠りに就かれたのです。
イエス様は今日の聖書では人として死んで、葬られたことがはっきり記されています。イエス様がこの地上でされたこと、語られたことには神の子としても生き方がちりばめられていますが、それでも十字架の上で息を引き取り、死んでいかれました。
わたしたちも死に臨んでは苦しかったら苦しいと叫び、痛みを我慢できなくなるでしょうが、そうなっても「御手にゆだねます」と祈りつつ去って行きたいと思います。たとえ痛みや苦しみの中にあっても、この主イエスの言葉を覚えつつ神を信頼して毎日を過ごしていきたいのです。イエス様はご自分の生涯を通してわたしたちと神との間をつないでくださいました。わたしはこのイエス様を信じて、従っていきたいと心から願います。ご一緒に与えられた人生をキリスト者として歩んでいこうではありませんか。