2017年7月2日 塩山宗満
マタイによる福音書 6章16-24節 (新約 10ページ)
主イエスは「富を地上に積むのではなく、天に積みなさい」といわれます。わたしたちが日常必要なものを貯め込むのではなく分かち合いなさい、とマタイ6章で繰り返し言っておられます。
天とは、天の国、神の国のことで、それを突き詰めて言うと、イエス様がおられるところのことです。イエス様はその天からこの地上へ来て、大工の子として育ち、働き、わたしたちと同じように飢えを、渇きを経験されました。この人間の労苦が意味のあるものとなるように、イエス様は福音を語り、み業を始められたのです。そのイエス様が仰ぎ見て、祈っておられたのが天です。そして、天に帰って行かれました。その天に富を積みなさいと言われます。
イエス様は、この地上での人間の労苦がむなしいと言われるのではありません。イエス様が天の富、地上の富について語られるとき、わたしたち自身が生きるために労苦する事が、富を天に積むことなのだと言っておられるのです。
わたしたちの教会もまもなく創立20年を迎えようとしています。そこで教会の歩みも新しい段階に入っていこうと様々な道を捜しています。そのために憩いの場プロジェクトを立ち上げ、4年検討を続け、建物の方は基本設計ができ、後は資金計画を確立して歩み出すところへ来ています。このプロジェクトを検討していく中で、マタイ6章が繰り返し語っている「分かち合い」、即ち、わたしたちの次の世代の人たちのため、そして、この地域の人たちのために用いられるように、との祈りに導かれてきました。わたしたちの心をそこへ向けてこのプロジェクトが形になっていくように祈ってまいりましょう。