2017年10月1日 塩山宗満
ヨブ記 2章1-13節 (旧約 776ページ)
今日礼拝で取り上げる聖書は旧約聖書のヨブ記です。一人の立派な人間が生きていて、その人がいろいろな苦しみに会うけれども、神により頼むことによってその苦しみに打ち勝ち、最後にはまた幸福を与えられた、という物語です。この単純な物語に友人とヨブ、そして神との壮絶な論戦が描かれていて、それがヨブ記の特徴でありテーマなのです。
ヨブは家族や財産を失い、重い皮膚病に罹った後でも「このようになっても、彼は唇をもって罪を犯すことをしなかった。(2:10b)」とあり、依然として神の前に正しく生きようとしています。「唇をもって」という言葉は、口には出さなかったけれども心の内には動揺があったのではないでしょうか。と言うのは、この後の3章以下でヨブが神に対して激しい嘆き、怒り、訴える言葉を語るようになっていくからです。
わたしたちはそれぞれ一週間様々な状況の中から導かれて今朝もこのように神に招かれてこの礼拝に集まってきました。平安な心でここへ来ることができた方もおられるでしょうし、なんだか押し寄せる苦しみの中からここへおいでになった方もおられるでしょう。それはそれで良いのです。そのような中からわたしたちは賛美をし、祈り、神の言葉に聞き入りました。わたしたちは神に従う道を選び取り、「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。(1:21)」と「わたしたちは、神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか。(2:10)」というヨブの言葉を心に留めつつ、また来る一週間を過ごしたいと願います。