2020年6月14日 塩山宗満
コリントの信徒への手紙一 7章1-7節(新約 306ページ)
「わたしとしては、皆がわたしのように独りでいてほしい。しかし、人はそれぞれ神から賜物をいただいているのですから、人によって生き方が違います。(7:7)」
パウロは神から頂いた賜物である主のための働きに専心する事のために、結婚しなかったようです。でもこれはパウロに与えられた生き方であってほかの誰にでも求められることではありません。パウロは神に仕えるには世のいろいろなしがらみに煩わされず、独りのままの方が良いからと言うのです。
パウロは7章の後半で未婚者とやもめ、既婚者など、他にもいろいろな立場や状態の人たちについて、こまごまとアドバイスをしています。一つ一つみていくと基本的には「現状を守って行きなさい、それぞれ、主から与えられた賜物に応じて神に召された時のままで歩みなさい」と言っています。そして、「定められた時は迫っています(7:29a)」と主の再臨が近い事を告げ、その時にふさわしく品位のある生活をして欲しいと願っています。
今日の聖書の7章で特徴的なのは、パウロが神の教えを語るだけでなく、コリントの町のいろいろな状況と条件を考えて、自分なりの意見を述べながらも、それぞれが自分でも充分考えなさい、と自由度を持たせているところです。結婚について、離婚について、再婚について、いろいろな状況の中では自分で考える余地がたくさんあるのです。わたしたちも結婚生活の中で何が最も良い選択なのかを考えながら歩んでいきます。そしてその自らが決めた道を、神が良しとして下さり、助け導いてくださるようにと祈りながら、与えられた時を歩んで参りましょう。