2020年11月22日 塩山宗満
コヘレトの言葉 12章9-14節(旧約 1048ページ)
「すべてに耳を傾けて得た結論。「神を畏れ、その戒めを守れ。」これこそ、人間のすべて。(12:13)」神を畏れ、その戒めを守ることはユダヤ教の教えの基本的なことで、コヘレトもついにこの結論に達したのだ、とここを編集した人は語ります。でもここには律法に従えとか、不正を正せとは言わず、ただ、神が定め創造されたこの世界で、神を畏れてしっかりこの今を生きて生きなさい、と言っているように思えます。主イエスが弟子たちに、またわたしたちに「天にましますわれらの父よ」と祈るように教えられましたが、コヘレトは「神は天に、あなたは地にあるのだから、口数を少なくせよ(5:1)」と言って、神が天におられ、私達を見ておられることを忘れないで生きるよう勧めています。
皆さんはコヘレトを読んでどのような言葉が心に残りましたか。わたしは3章の「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められたときがある。」と、人生には様々な時があると羅列されているところでしょうか。それと12章1節「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。」も忘れられません。コヘレトは死を意識している言葉の奥に、現在を生きることの意味を見いだし、飲み食いをも神の賜物として受け取ろうとします。コヘレトの言葉は、世の不条理を見つめ、人生を「空」と言いながらも、生きる意味を見出そうと苦闘し、神を求めているように思えます。
コロナ禍の中でこれまでとは違った毎日を経験しているわたしたちですが、「神を畏れ、その戒めを守れ。」という今日の結論を確かめて、クリスマスの準備を進めて参りましょう。