2022年4月24日 三羽善次
エフェソの信徒への手紙 4章17-32節
パウロは古い人と新しい人について書いています。古い人とは神を知らない人、異邦人です。あるいはキリストの救いに与っていない人です。新しい人とはキリストの救いに与っている人です。
新しい人はキリストによって新しく創造された人です。新しく創造された人はいろいろな生活態度を求められますが、なかでもパウロは怒りをあらわにしてはいけない、と語っています(26、31節)。怒りという激しい感情によって相手を威圧し、傷つけます。
怒っているとき、自分には正当な理由があると思っていますが、大半は自分のいらいらした感情をぶつけているときが多いのです。怒りの感情や言葉を投げつけられた相手は、同じように怒りの感情が湧いてきます。これは負の循環であり、そこから何も生み出しません。これは創造的なことではありません。そして怒りは自分自身も傷つけ、自己嫌悪に陥ります。さらに血圧も上げ、何もいいことはありません。
怒りは神だけが正当に為されるものです。キリストはこの怒りを身に受けられ、十字架上で死なれました。人が負うべき怒りをキリストが代わって受けられたのですから、もはや人は怒りを自分自らあらわにすることがあってはならないのです。キリストにあって新しく創造された信仰者は怒りの言葉ではなく、人を創り上げる言葉(29節)を語るものになっていきます。それが新しく創造されたきりスト者にふさわしい証しの生き方です。