2023年12月24日 三羽善次
ルカによる福音書 2章8-14節
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(14節)と、クリスマスの喜びを主の天使は告げました。しかし、私たちの世界は、主イエスのご降誕から2000年過ぎた今も、戦いが止みません。これまでも、これからも、いつまでも、性懲りなく人は争い続けるのでしょうか。
人類の歴史は戦いの歴史と言っていいのですが、愚かなことをいつまで繰り返していくのでしょうか。過去の体験から戦争の悲惨、惨めさを知りながら、学ぼうとせず、戦いが繰り返されています。
地上に平和がないなら、天の神の栄光もかすんでしまいます。そして私たちの人生も、いさかいや憎しみが絶えずあり、そこには平安がありません。私たちもまた、愚かなことを繰り返しているのが現状でしょう。
年を重ねていけば賢くなるというものではなく、老人こそ、自分の欲深さ、愚かさを身に染みて実感するのではないでしょうか。このことが実感されるとき、あなた方のために救い主がお生まれになった」という天使の言葉が身に沁みてくるのです。
愚かで救い難い者の、救い主が来られる。これがクリスマスのメッセージです。
主イエスの誕生の日は聖書に書いてありませんが、12月25日と教会は決めました。忙しい年の瀬にクリスマスがやってくるのは、一つの意味もあります。一年の自分の歩みを振り返る時、自分の姿が色々見えてきます。自分を振り返る時、その愚かさに反省と悔い改める思いです。クリスマスはそこで、私たちの愚かさにもかかわらず、救いの御手を私に差し伸べてくださっていることを知らせてくださる時です。だから、私たちはクリスマスを喜び迎えるのです。