2024年7月21日 塩山宗満
ペトロの手紙一 5章1-7節
「皆互いに謙遜を身に着けなさい。(5:5b)」
ペトロはここで「皆」と言ってキリストを信じる人は誰もが「謙遜を身に着けなさい」と勧めています。当時のこの地方は、身分社会で教会の中にも奴隷も雇い主もいたでしょう。男尊女卑の世界でしたから女性は虐げられていました。貧富の差も大きく、元気な人と病気などで弱っている人たちもいたでしょう。世間ではそのような中では差別が当たり前のことでした。そんな中で、ペトロは謙遜であれ、と勧めます。
教会にはあらゆる人たちが集まります。人はひとりとして同じではありません。その違いを理解して、教会の中では誰もが他の人を自分より優れた者として迎えることができれば、教会は教会でありつづけます。人間の集団の中でそんなことができるかと思うかもしれませんが、ペトロは「神の力強い御手の導き」があるのだからそれが可能になる、と宣言します。
「思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい。神が、あなたがたのことを心にかけていてくださるからです。(5:7)」私たちの思い煩いとは、経済的な不安、健康上の問題、家庭の中でのさまざまなことなどですが、それを神にお任せしなさい、ペトロは勧めます。それに対して主はいろいろな形で解決策を備えてくださるでしょう。でも、私たちは願ったことがすべてかなえられたとしても、さらに新たな重荷と欲望が生まれてくるのではないでしょうか。主はそこで、その重荷を共に担ってくださり、支えてくださり、休ませてくださるのです。それによって私たちは主と共に歩き、主から生き方を学んでいきます。そこに私たちの平安が、生まれてくるのです。