2025年1月19日
山形聾者キリスト教会牧師 松本英二
マルコによる福音書 7章31-37節
「そこで、イエスは、その人だけを群衆の中から連れ出し、その両耳に指を差し入れ、それからつばきをして、その人の舌にさわられた。(7:33)新改訳」
日本には大きく2つの手話があります。一つ目は日本語を手の動きに変換したものです。これは「手指日本語」と言い、日本語対応手話とも呼ばれています。これに対して2つ目は、ろう者、生まれた時あるいは幼少期から髙度の難聴があって音声言語が習得できなかった方々が用いることの多い「日本手話」です。同じ日本の中であっても、耳の聞こえる人が自分たちの文化を持ち日本語を使うように、ろう者もろう者の文化を持ち手話を使うということです。
書かれた文字は音声言語であるため、音を聞くことのできないろう者にとって、文章の読解は容易なことではありません。ですから、ろう者の第一言語である手話の聖書が必要なのです。
ろう者は、イエス様と向かい合っていく中で、イエス様の素晴らしさや、その業を感じ取っていきます。
大勢の人々の中での癒しは、ろう者の視覚認知能力にとってはうるさいのです。それを避けて、イエス様はろう者を理解し二人だけで集中できる環境にしてくれました。そして「その両耳に指を差し入れ、それからつばきをして、その人の舌にさわられた。」のです。声で話しかけたりしないで、指を耳に触れ、つばきをつけ、舌にさわるなど、ろう者と対等に手の動きで対応されました。
イエス様はろう文化を知ってろうあ者に対応してくださったのです。神の愛に感謝し主をほめたたえます。